ウサギはなぜ嘘を許せないのか?

〜後ろ指さされずに成功する新・ビジネス読本〜

 著者:マリアン・M.・ジェニングスン

 監修:山田真哉
 発売日:2006年10月25日
 ISBN:4-7762-0356-1
 価格1029

 
 アスコムからの内容紹介  

◆全米で話題騒然! ベストビジネスブックに選ばれた世界初のコンプライアンス寓話小説が、

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者・山田真哉監修により待望の翻訳化!

 

 ゴディバのアイスクリームと任天堂のテレビゲームが大好きな身長190センチの大ウサギ「アリ」が、主人公エドを導きながら、ビジネスの世界でさまざまな苦難を経験した末に、最終的な成功を手にする痛快ビジネス寓話小説。

 次から次へと起こる企業不祥事に正面からぶつかっていくアリとエドの活躍を通して、「真のコンプライアンスとは何なのか」を問い掛ける、著者でありコンプライアンス・コンサルタントとして活躍するマリアン・M・ジェニングスの傑作。

 

◆「正しくあること≠ノ意味はあるのか?」、「モラルを大事にしていると、骨が折れないか?」、「努力してまで、正しいこと≠続けるメリットは?」、「正直者がバカにされ、あざ笑われるのはなぜか?」、「嫌われてもモラルを主張する必要があるのか?」「正しいこと≠ノこだわることは本当に得なのか?」……などなど、コンプライアンスの本質に迫る新・ビジネス読本。今、本当のできる人≠ヘ嘘をつかないで成功する!

 著者プロフィール

 

【監修者紹介】

◆山田真哉 (やまだしんや

公認会計士。1976年神戸市生まれ。大阪大学文学部史学科卒業を卒業後、一般企業を経て公認会計士二次試験に合格。その後中央青山監査法人を経て、日本で最初の有限責任事業組合「インブルームLLP」を設立しパートナーに就任する。東京糸井重里事務所CFO(最高財務責任者)も兼務。元日本会計士協会会計士補会会報委員長。著書に『女子大生会計士の事件簿DX1〜4』(角川書店)、『世界一やさしい会計の本です』(日本実業出版社)、『山田真哉のつまみ食い「新会社法」』(青春出版社)など。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)は150万部のベストセラーに。

<公式サイト>「公認会計士 山田真哉工房」http://www.cam.hi-ho.ne.jp/shinya-yamada/

 

 

【著者紹介】

◆マリアン・M.・ジェニングス Marianne M. Jennings

 アリゾナ州立大学W.P.ケアリー経営大学院教授。コンプライアンス・コンサルタント。ブリガム・ヤング大学で財政学の学位をとり、さらに法学博士の称号も取得。CBSテレビの「This Morning」「Today Show」「Evening News」に出演。コンサルティング活動も行ない、クライアントにはIBMやボーイング社をはじめ、デュポン社、モトローラ社、ダイアル社(家庭用品メーカー)、全米信用管理協会などがある。「シカゴ・トリビューン」「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」などの新聞・雑誌にも寄稿。

 本書『A Business Tale』は、「ライブラリー・ジャーナル」誌によって2004年のベスト・ビジネスブックに選ばれている。

 

【訳者紹介】

◆野津智子 (ノヅトモコ

翻訳家。獨協大学外国語学部フランス語学科卒業。おもな訳書に、『仕事は楽しいかね?』(きこ書房)、『夢は、紙に書くと現実になる!』(PHP研究所)、『出世する人の仕事術』(英治出版)、『マジック・ストーリー』(ソフトバンクパブリッシング)などがある。

 また、『魔法があるなら』(PHP研究所)をはじめ、心あたたまる小説の翻訳も手がけている。。

 目次  

●はじめに 公認会計士 山田真哉

 

PART1 正しくあること≠ノ意味はあるのか?

PART2 モラルを大事にしていると、骨が折れないか?

PART3 努力してまで、正しいこと≠続けるメリットは?

PART4 正直者がバカにされ、あざ笑われるのはなぜか?

PART5 嫌われてもモラルを主張する必要があるのか?

PART6 正しいこと≠ノこだわることは本当に得なのか?

PART7 なぜ、正しい人≠ヘゴールが遅いのか?

EPILOGUE 真の成功者の、新たなため息

 

●山田真哉 解説

●訳者あとがき

●【巻末・コンプライアンス資料】国内企業による不祥事・事件

 

 抜粋  

 第1章 

 

 ■アリストテレスを愛読する大ウサギ

 

 午前七時〇五分。エド・ベンチャリーは、トータス・エンタープライズ社の自分のデスクに向かうと、平日の午前七時〇五分になるたびにくり返していることをした。

 それは、ため息をつくことだった。

 肩が上がるほどに大きく息をして、おもむろに腕をデスクの上に置く。そこには、トータス・エンタープライズ社の抱える問題事項について、書類が山と積み上げられていた。

 エドが、仕事やデスクやトータス・エンタープライズ社そのものを嫌っているということではなかった。それどころか、エドはトータス・エンタープライズ社の経営者だった。そしてトータス・エンタープライズ社は、収益、製品、従業員、納入業者、広告、アスベストを使わない社屋、いずれもが立派といって差し支えない、きちんとした企業だった。

 しかし、そんなふうに何もかもきちんとして正しくあること≠アそが、エドのため息の原因だった。

何の因果か、正しくあること≠ニため息≠ェエドにまとわりついて離れない。しかし、世間の人たちの多くは正しくあること≠ノ価値をおいているわけではない。そのことを、エドはいやというほどよく知っていた。

 

 誰にも話したことはなかったが、エドには、ため息をつかないわけにも正しいことをしないわけにもいかない理由があった。

 じつは、エドにはプーカがつきまとっていたのだった。

 プーカというのは、すべての人の目に見えるわけではない、おとぎの国の妖精だ。気に入った人間のそばから離れず、一方、プーカに気に入られた人間は、プーカの姿が見えるだけでなく、プーカを喜ばせる生き方をするようになる。

 しかし、エドにまとわりついているのは、映画『ハーヴェイ』の中で主演ジェームズ・スチュアートのもとへやってきたような、ゆかいな酒飲みのプーカではなかった。ジェームズ・スチュアートと、身長一九〇センチの白い大ウサギのプーカは、しょっちゅうバーへくり出していた。そんなプーカがそばにいるなら、エドは楽しく酒を飲み、ため息をつくことなく人生を過ごせていただろう。

 残念ながら、エドのもとに現れたのは、背が高いという点こそ同じだったけれども、まるで違うタイプのウサギのプーカだった。

 

 その大ウサギのプーカはアリストテレスを愛読し、ソローの言葉を引用し、道徳的判断の段階的発達に関するコールバーグの理論に詳しかった。ニックネームは、アリ。正しくあることや道義心、それに約束どおりに送られてくる小切手を愛するウサギだった。

 

 アリとの出会いは、今でもエドの脳裏に焼きついて離れない。それは、エドが車の後部座席に座っていたときのことだった。運転していたのはエドの母親、ミセス・ベンチャリー。母親はやたらスピードを出したがったが、そのくせ、約束の時間に間に合ったことは、エドの記憶にあるかぎり一度としてなかった。

 実際、その日後部座席で初めてアリを見たとき、エドはこう思ったのだ。この大ウサギは、『不思議の国のアリス』の本から飛び出してきたにちがいない。いつもいつも大事な約束に遅れてばかりいるママを叱りに来たんだ、と。

 けれどもアリが現れたのは、エドの母親を叱りつけるためではなかった。アリにはもっとずっと大きな計画≠ェあったのだ。

 

 担当編集より  

  山田真哉氏の初監修した翻訳寓話小説がついに発売です!

 テーマは、近頃多発する企業不祥事を語るときに欠かせないキーワード「コンプライアンス」。一般的には「法令遵守」と訳されていますが、では企業が法律を守れば、それで済む問題なのでしょうか。強引な企業買収や、悲惨な事件の後の考えられない企業の対応……。

 「コンプライアンス」には、もっと大事なことが根本に存在するのではないのでしょうか。「コンプライアンス」の本当の意味、そして今なぜ必要とされているのか、この本にはそのヒントが書かれています。

 企業不祥事は他人事ではありません。企業は1人ひとりの社員で構成されています。 

 ぜひこの本を読んでいただき、ご自身なりのコンプライアンス観を身につけていただければと思います。


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