開成、灘、桜蔭、筑駒といった有名私立中学に、
多くの教え子を送り込んできた カリスマ塾講師の馬屋原吉博さん。
『CD2枚で古代から現代まで 聞くだけで一気にわかる日本史』は
馬屋原さんの最新刊です。
この本は、タイトルが示す通り日本史をCDの音声で、
しかも2時間で古代から現代まで一気に学べるという今までにない一冊。
なぜ、この本を作ろうと思ったのか?
著者の馬屋原吉博さんに、
アスコム編集長の小林英史と、本の編集を担当した池田 剛がお話を伺ったところ、
目からウロコの話が続出でした。
池田

馬屋原さんは、普段は塾の先生をされていますよね。

馬屋原

そうですね、中学受験専門の個別指導塾で講師をしています。

池田

今回の本はいわゆる受験専用の参考書ではなく、広く一般の人に日本史をわかりやすく伝えるためのものですね。どうして、この本を手がけたのですか?

馬屋原

その理由とも関係するんですが、実は私、授業では日本史を教えているのに自分が大学を受験するときは日本史を選択しなかったんです(笑)。

小林

へえ! それは意外ですね。

馬屋原

それで生徒に日本史を教える際に、改めて日本史を勉強し直したんですよ。その時に気付いたのか、学生時代に習った知識をかなり忘れているなと。けど、これって自分だけの話じゃないよな、同じように考えている人が世の中にたくさんいるんじゃないかと。

池田

確かに。私も個人的に歴史は好きなんですが、今回この本の編集を担当させていただいて、今までの自分の知識がいかに、あやふやであったかに気付きました。

馬屋原

それに、最近は歴史に関する面白い話がけっこう出てきているじゃないですか。

「実は、聖徳太子はいなかった」という説が注目を集めたり。そういうニュースも、「そもそも歴史ってこういう話が定説だったんだよ」ということが分からないと、理解できない。であれば、日本の歴史をざっくりと学べて、そこから深く日本史に親しむための入り口となるコンテンツがあってもいいんじゃないかと思ったのが最初のきっかけです。

明治以降の近代史を一挙公開!
『聞くだけで一気にわかる日本史』を聞いてみよう!

「時代のイメージ」を作れば、知識が整理される

池田

 CDで「聞く」というスタイルにしたのには、何か理由があるんですか。

馬屋原

私は授業で子どもたちに対して「しゃべる」ということを徹底的にやってきたんです。

多くの塾では、まだまだテスト対策中心の暗記型の日本史授業が中心です。

最初に大まかな流れは話すものの、2回目以降の授業は演習、つまり問題を子どもに解かせて、できなかったところだけ先生が説明するというスタイルが中心です。

なぜかといえば、集団塾の授業は基本的に「クラスの中でいちばんできる子」に合わせて進むんです。そして「できる子」「すでに分かっている子」には、話をするより問題を解かせた方が伸びる。

池田

なるほど。でも実際は一回聞いただけでは分からない子の方が多いと。

馬屋原

そうなんです。

そういう子は、まだまだ分かっていないのに、問題をひたすら解かされる。

問題を解いていく中で少しずつ分かっていけばいい、というのも一つの考え方かもしれません。

ただ、そういう勉強はどうしても子供たちを不安にさせます。大人だって、全体像が見えないまま、とにかく細かい知識を覚えろと言われたらイヤになりますよね。だから、別のアプローチをとってみるのもあり、だと思うんですよ。

池田

 「別のアプローチ」とは、どのようなものでしょうか。

馬屋原

私の授業では、生徒が塾で一回説明されているはずの分野でも、理解があやしいと感じたら、まずはとことん話します。特に、歴史の大枠を広く話すことを心がけています。具体的には、頭の中に時代のイメージという「引き出し」を作ってあげることが最大のポイントなんですよ。

池田

頭の中に引き出しを作る、ですか?

馬屋原

たとえば、飛鳥時代は「とにかく国を一つにまとめようとした時代」だったんだよ、というイメージを教えてあげる。すると、そのイメージに沿って、豪族同士の権力争いや、なぜ「律令制」が整えられたのか、といった知識がスッと頭の中に入ってくるんです。いってみれば、頭の中に知識をしまう箱を作るんです。

池田

なるほど、それなら覚えやすい。

馬屋原

 その延長線に今回のCDブックも位置しているんです。

自分のノウハウを活用して、大人が日本史に改めて親しむ入り口を作れるんじゃないかと思ったんです。もちろん、音声であれば、電車の中やお風呂に入りながらといった「スキマ時間」「ながら時間」も使えるので、大人の学び直しに適しています。それと、もう一つ、今回の本を出そうと思ったきっかけがあるんです。

池田

どんなことですか?

馬屋原

塾の講師をしていて気付くのが、意外に親御さんに喜んでいただけることなんです。

私の塾では、親子が一緒に授業を受けることを推奨しています。親御さんが日本史のことを分かってくれたら、家庭でも子どもに教えられる。いわば先生が1人増えるんです。

小林

なるほど、上手い(笑)。

成績が上がるだけじゃなく、授業をきっかけに親子の会話も増えるかもしれませんね。この本も、そういう使い方ができると面白い。

馬屋原

そういうことも考えられますよね。

一緒に授業をしていると親御さんのほうが明らかに楽しそうなんですよ。

小林

大人って、昔学んだ断片的な日本史の知識が頭の中にバラバラに入っているんですよ。

それが、頭の中の引き出しに知識が整理されて、一気に体系化されて、歴史が一つの大きな流れとなって見えてくるんだと思います。私も以前、馬屋原さんの授業を聞いて実感しました。

馬屋原先生の聞くだけで一気にわかる日本史講座

日本史の知識を断片的にしか覚えられない理由

馬屋原

そう、みなさん歴史の知識って断片的にお持ちなんですよ。私が塾で子どもたちを教えていて感じるんですが、歴史用語を「読めないのに書ける」子がけっこういるんです。

池田

どういうことでしょうか?

馬屋原

テストで書けないと怒られるから、とりあえず漢字は練習する。

しかし読むことまではできない。当然、言葉の意味なんかまったく分かっちゃいない。それは知っているとはいえませんよね。子どもたちには、「知っている」と「聞いたことがある」を使い分けろとよくいいます。聞いたことがあるレベルで終わっている子が多いんです。

池田

意味が分からないのに書けるというのは、ある意味すごく頭がいいのかもしれません(笑)。

けど、おっしゃるようにそれでは意味がないし、もったいない。

馬屋原

中学受験にチャレンジするのは小学生ですから、基本的には日本史に関する知識がまったくない状態で塾の授業に臨むわけです。背景となる知識がないので、かなり詳しいところまで教えられると、出てきた言葉のどれが重要なのかわからないまま、言葉をひたすら暗記しようとして頭がパンクしちゃうんです。そして、そういう子が、そのまま大人になると、断片的にしか日本史を知らないということになりがちです。

普段は子供に教えている馬屋原先生ですが、
今回は特別にアスコムのおとなたちに授業をしてもらいました!
池田

無味乾燥な暗記だと、そうなりますよね。

馬屋原

たとえば、源頼朝と義経では、政治的な意味では頼朝のほうが重要人物ですから、まずはそちらを覚えるべきだということが分かっていれば楽なんです。ある大手塾は、受験直前期に「ここだけ覚えておきなさい」というプリントを配るので、その時はじめて言葉の重要度を理解するのですが、子どもたちにしてみれば「最初に出してくれよ!」と叫びたい気持ちでしょうね。

小林

その点、この本は日本史の古代から現代までを2時間に凝縮していますから、いってみれば重要なワードだけが入っているんですね

馬屋原

そう、これだけ覚えていれば、とりあえず日本史は知っていると自信を持って言える内容にしました。

日本史は古代から現代までつながる1つの物語

池田

そうはいっても、長い歴史を2時間に詰め込むわけですから、かなり削りましたよね。

馬屋原

確かに、苦労はしましたね(笑)。よく学校で社会の先生が「流れをつかむことが大事だ」という話をするじゃないですか。じゃあ、どうすればいいのかとなると誰も分からない。私が思うに、歴史の流れと言うのは出来事同士の因果関係のことだと思っているんです。この因果関係が途切れないギリギリの範囲を詰め込めたと思います。ですから、歴史が途中でぶつ切りになっている箇所はないはずです。

小林

実は、事前にこの本の付属CDを、幅広くいろんな方に聞いていただいたんです。

様々な感想をいただきましたが、やはり多かったのが、日本史全体の流れがよくわかったという話です。

「旧石器時代からバブル時代まで、流れのポイントが得られるなんて画期的」

「今までは、点と点の理解しかできていなかったけど、それぞれの知識をつないで1つの線としてつかむことができた」

「目の前で歴史物語が繰り広げられているように感じて、ドキドキした」などです。

CDを聞いていると、日本史が古代から現代までつながるストーリーだということがよく分かります。

池田

「旅行の楽しみが一つ増えた。観光地での過ごし方がより充実したものになる」

「美術館や博物館に行くときに、展示物が歴史の中でどういう位置づけになるのか、理解できた」

などといった、こんな使い方もあるのかと我々が驚くような感想を寄せてくださる方もいました。

この本は汎用性も高いですね。歴史の全体像を知りたい受験生から、大人の学び直しまで使えるのも魅力です。しかも親子の会話まで促進する(笑)。

馬屋原

なるほど、面白い意見です。じゃあ、この本は、ぜひ一家に一冊、持っておきたい必需品ということにしておきましょうか(笑)。

インタビュー日 2017/05/26

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