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ノンフィクション

いいんだよ、そのままで

著者佐藤 肇, 佐藤 敬子

発売日2009年7月30日

ISBN978-4-7762-0557-9

価格1400円(税別)

アスコムからの内容紹介

絵の先生とダウン症の作家たちの心温まる物語。
国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんの母、辻井いつ子さん感動し寄せていただいた言葉です。
「才能は『教える』のではなく、こうやって『引き出す』のですね。」

私たち夫婦はこんな言葉を交わし合ったものです。
アトリエに五人のダウン症の子どもたちが集まった最初の日、絵の具と紙の前に座った子どもたちは、何のテーマを与えなくても全員がためらわずにスッと線を引き始めました。
画面いっぱいに美しい色調のなんとも素晴らしい絵を描いていくのです。 (本文より)


「お母さん、ゆう子ちゃんはいいんだよ、そのままで」。
それが佐藤先生が私にかけてくださった言葉でした。
先生の言葉と出会って私は、この子は生まれながらのこの子でいいんだ、と思えるようになりました。
秋も深まったある朝、登校途中で歩道一面に落ちているイチョウの葉っぱを見たゆう子が、ふとつぶやいたんです。
「お母さん、秋がいっぱいね」と。
それまで「イチョウ」という言葉を覚えられずに何度か教えていたのですが、ゆう子の持っている感性を無理に変える必要はない、と思えるようになったのです。 (ゆう子ちゃんの母の話より)